高精度補正情報伝送
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 04:59 UTC 版)
「準天頂衛星システム」の記事における「高精度補正情報伝送」の解説
GPS単独測位の受信機が測定する座標に生じる誤差は、系統誤差とランダム誤差の和とみなすことができる。系統誤差はおよそ1mから7mほどの範囲にあるが、この系統誤差要因の値を利用者へ伝送し補正情報として用いることができれば、測位座標の系統誤差を低減できることになる。日本は既に国土地理院の電子基準点を活用し、日本全国向けに民間サービスによる1cm級の精度の補正情報の提供が展開されている。 準天頂衛星システム開発においては日本全国向けに1m級の精度の補正情報生成が開発中である。補正情報を利用者へ伝送するには多くの利用者にとって最適な方法を用いて伝送することが望ましいが、準天頂衛星システムではその衛星信号(L1-SAIF信号)に載せて利用者受信機へ伝送する点が利点と考えられている。 cm級測位に必要な補正情報を民間に無償で配信(日本国内限定)しているのは現状QZSSだけである。2018年時点でcm級測位に必要なモジュールやアンテナは車両や大型ドローンへの搭載レベルであり、携帯電話・スマートフォンへの搭載は大きさや消費電力の点から実現していないが、QZSS以外のGNSSでも同様である。cm級測位は農耕車や工事車両、測量などを主眼としており、測定には衛星経由のため10数秒のタイムラグが生じる。高速度で移動する自動車などのカーナビゲーションなどは、センチメートル級測位は他の測位技術と組み合わせた補助的な利用となる。
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