利用者受信機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 16:13 UTC 版)
利用者受信機は、複数の航法衛星から電波で送信された航法信号を受信し、その送信時刻を測定する。送信時刻の測定は、擬似ランダム雑音 (Pseudo Random Noise; PRN) 変調信号の特性を用いて行う。 受信機内での測位計算 送信時刻の測定値はおよそ10 nsもしくはそれ以上の誤差を持つ。 また航法衛星の天体暦(軌道)の情報を受信し、これにより送信時刻における航法衛星の座標が求められる(これの誤差は視線方向成分がほぼ1.5m以下)。 最終的に、利用者受信機の座標及び受信時刻(合わせて4つの未知変数: x , y , z , t {\displaystyle \,x,y,z,t} )の解は、慣性系を仮定し、各航法衛星の時空点座標を頂点とする光円錐(4つ以上が必要)の交点となる。 言いかえれば次の連立方程式の解となる。ここでは用いる航法衛星数を4機とし、航法衛星 i ( = 1 , 2 , 3 , 4 ) {\displaystyle \,i\ (=1,2,3,4)} の信号送信時刻 t i {\displaystyle \,t_{i}} 、その座標 x i , y i , z i {\displaystyle \,x_{i},y_{i},z_{i}} 、光速 c {\displaystyle \,c} としている。 { ( x − x 1 ) 2 + ( y − y 1 ) 2 + ( z − z 1 ) 2 − c ( t − t 1 ) = 0 ( x − x 2 ) 2 + ( y − y 2 ) 2 + ( z − z 2 ) 2 − c ( t − t 2 ) = 0 ( x − x 3 ) 2 + ( y − y 3 ) 2 + ( z − z 3 ) 2 − c ( t − t 3 ) = 0 ( x − x 4 ) 2 + ( y − y 4 ) 2 + ( z − z 4 ) 2 − c ( t − t 4 ) = 0 {\displaystyle \left\{{\begin{aligned}&{\sqrt {(x-x_{1})^{2}+(y-y_{1})^{2}+(z-z_{1})^{2}}}-c(t-t_{1})=0\\&{\sqrt {(x-x_{2})^{2}+(y-y_{2})^{2}+(z-z_{2})^{2}}}-c(t-t_{2})=0\\&{\sqrt {(x-x_{3})^{2}+(y-y_{3})^{2}+(z-z_{3})^{2}}}-c(t-t_{3})=0\\&{\sqrt {(x-x_{4})^{2}+(y-y_{4})^{2}+(z-z_{4})^{2}}}-c(t-t_{4})=0\\\end{aligned}}\right.} 光円錐と交点。この図では縦軸が時間軸。空間は2次元で示されているので、3つの光円錐により測位解 x , y , t {\displaystyle \,x,y,t} が求められる。
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