高次元極小モデル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 08:23 UTC 版)
次元が 2 以上の場合は、理論はさらに多くの意味合いが入ってくる。特に、ネフ(nef)ではない標準クラスを持つ任意の滑らかな多様体 X ′ {\displaystyle X'} に双有理同値にならないような滑らかな多様体 X {\displaystyle X} が存在する。1970年代と1980主要な概念的な前進は、極小モデルの構成は、いまだに妥当性を持ち、発生する特異性のタイプについて注意深く構成であるということである。(例えば、 K X ′ {\displaystyle K_{X'}} がネフ(nef)であるならば、交点数 K X ′ ⋅ C {\displaystyle K_{X'}\cdot C} は定義されねばならないことを示す必要がある。よって、最低でも、多様体はある正の整数 n {\displaystyle n} に対して n K X ′ {\displaystyle nK_{X'}} カルティエ因子を持つ必要がある。) 最初の重要な結果は、森重文の円錐定理(Cone theorem)で、 X {\displaystyle X} の曲線の円錐の構造を記述している。簡潔にいうと、定理は X {\displaystyle X} から始め、帰納的に多様体の列 X i {\displaystyle X_{i}} を構成することができて、それらの各々の K X i {\displaystyle K_{X_{i}}} ネフ(nef)であり、ひとつ前の多様体により「近い」ものとすることができる。しかしながら、この過程は困難に遭遇するかもしれない。多様体 X i {\displaystyle X_{i}} 上のある点が、「あまりに特異性を持ちすぎる」かもしれない。この問題への予想された解決は、フリップ(flip)で、 X i {\displaystyle X_{i}} 上の余次元 2 の一種の手術操作である。求めているフリップが存在するか、それらの列が常に終端を持つかということが明らかではない。(すなわち、有限回の操作で極小モデル X ′ {\displaystyle X'} に行きつけるのか。)Mori (1988) では、フリップが 3 次元の場合は存在することを証明し、さらに最近の仕事ではより高次元の場合の極小モデルの存在と終端を持つという問題へ注力されている。
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