高価な薬価にある背景
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/15 19:59 UTC 版)
「リスパダール・コンスタ」の記事における「高価な薬価にある背景」の解説
日本精神科病院協会によれば、2009年8月に薬価が高価であることを理由に、厚生労働省と中医協に薬価を再検討する旨の声明を出している。しかしながら、その後も薬価の改善は試みられていない。もとよりリスペリドンを体内で持続的に放出する生体内分解性ポリマー(マイクロスフィア)の製法や製剤に関する複数の関連特許の存在によって、本剤の薬価が高価になるのは否めないのが現状である。新薬の開発に掛かる長期に渡る開発期間に加え、巨額の開発費用を回収し、さらに利益を上げる必要性に迫られる製薬会社にとって、特許権の存続期間である20年という期間は、開発費用の回収と利益の最大化を図るには短いものであるため、1年でも長く特許権の存続期間を延長させることは死活問題であり、本剤もその例に洩れず、複数ある関連特許は通常の特許戦略の一環として分割出願がなされており、その結果相応の期間、特許権が存続することとなる。 また、マイクロスフィアの開発会社をめぐっては米国において買収劇が繰り広げられ、その巨額の買収費用を製品の売り上げから回収する必要性が薬価をさらに高価なものにしているとの見解もある。なお、治験にかかる費用と買収額を比較すると、後者が前者を上回ることは確定している。日本国内では武田薬品工業が特許を出願、特許が成立しており、分割出願が進められている。そのほか、リスパダール・コンスタおよびマイクロスフィアに関する国外の製薬会社と日本の製薬会社間の排他的独占契約は未知数である。
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