高バイパス比のターボファンエンジン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/27 09:13 UTC 版)
「逆推力装置」の記事における「高バイパス比のターボファンエンジン」の解説
一方、近年の大型旅客機などに採用されている高バイパス比のターボファンエンジンでは、コアエンジンを覆っているバイパス空気流の噴射方向を斜め前方へ偏向し、エンジンコアを通過してきた燃焼ガスについてはそのまま機体後方に噴射し続ける。制動力となるのは前方に偏向されたバイパス流の推力の余弦成分のみである。つまり「逆噴射」とはいうものの、一部についてはそのまま前方への推進力として残っている。バイパス比4(バイパス空気流80%:燃焼ガス20%)、逆噴射時のバイパス空気流が進行方向に対して30度の角度で噴射されるエンジンを例に考えると、80%の推力にcos30゜をかけた69.3%が制動力となり、燃焼ガスの推力と差し引きして推力の49.3%で制動を行っているということになる。実際にはバイパス流が偏向される際に圧力損失が発生するため、制動力はさらに小さくなる。多くのエンジンでは離陸推力に対して最大40-50%程度の制動力を発揮できる。こちらはカスケード方式、もしくはコールドストリーム方式と呼ばれる。高温にさらされないので、アルミニウム合金などでも耐えられ、軽量化が可能となる。
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