飼料、緑肥としての利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/01 08:14 UTC 版)
「アカウキクサ属」の記事における「飼料、緑肥としての利用」の解説
アカウキクサは、シアノバクテリアであるアナベナの1種(Anabaena azollae)と共生しており、このアナベナの働きによって旺盛な窒素固定(大気中の窒素をアンモニア等に変える働き)を行っている。このためアカウキクサは窒素に富んでおり、稲作を行う際にアカウキクサを繁殖させ、それを漉き込んで緑肥として利用されることがある。肥料になるというだけでなく、一面に繁茂して水面を覆うことで、湖沼の富栄養化を抑制する効果や、他の雑草が繁茂することを抑制する効果があるとされている。これらの性質に加え、安価に利用出来るということもあり、中国やベトナムでは数百年間の間、水田緑肥として用いられていた。しかし窒素肥料である尿素価格の低下などもあり、1980年代頃からは徐々に使用されることが少なくなっている。 アカウキクサのタンパク質含有量は20-30%であるとされており、中国南部や東南アジアでは、家畜や魚の飼料としてもアカウキクサが用いられている。そのほか、東南アジアなどの熱帯域でも緑肥としての利用が試みられたが、高温に弱い、リンが不足している土壌では生長しづらい、水位調整などの栽培管理が必要となる、などといった課題もあり、定着するには至っていない。
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