飛行塔
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 09:42 UTC 版)
園内の飛行塔は、日本における大型遊具開発の祖である土井文化運動機製作所の土井万蔵が設計した現存する唯一の「土井式飛行塔」である。土井式飛行塔は1920年(大正9年)の千里山遊園を皮切りに、愛宕山遊園地(京都市愛宕山)など全国各地に設けられた飛行塔で、生駒山上遊園地のものは16番目の製品である。 生駒山上遊園地の飛行塔はほかの土井式飛行塔と異なり、当初展望台を兼ねていたため、内部にエレベーターが設置されているのが特徴である。エレベーターのかご室は塔体上部から張り出したアームから吊下がる飛行機形ゴンドラの釣り合い重り(カウンターウエイト)を兼ねており、ゴンドラが上昇するとエレベーターが下降、ゴンドラが下降するとエレベーターが上昇するしくみになっている。 第二次世界大戦中、園内では金属類回収令(鉄材供出)によって大型遊具が解体搬出されたが、飛行塔については防空監視所として海軍航空隊が利用したため、ゴンドラやエレベーターなどの撤去にとどまって塔体は解体を免れた。その後も繰り返し改修が行われているが、塔基礎と塔体は2014年現在も開園当時のままで、日本国内に現存する大型遊具では最も古いものである。 飛行塔は近鉄生駒鋼索線と共に2021年(令和3年)9月28日に土木学会選奨土木遺産に認定された。
※この「飛行塔」の解説は、「生駒山上遊園地」の解説の一部です。
「飛行塔」を含む「生駒山上遊園地」の記事については、「生駒山上遊園地」の概要を参照ください。
- 飛行塔のページへのリンク