頽落
頽落
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 16:40 UTC 版)
「マルティン・ハイデッガー」の記事における「頽落」の解説
現存在は日常生活において『頽落(Verfallenheit)』した状況にある。すなわち「彼らと共に」世界・内・存在に没入している。手元にあるものに配慮することまでが「彼ら」の影響にさらされる。哲学用語として用いられても「頽落」はどこか神学の匂いがする。神のまえにある罪深い人間と同様に現存在も頽落する。では、ハイデガーのいう頽落はなにから構成されているのだろうか。『頽落』は現存在にとって基本的なあり方の一つである。 (1)『世間話(Gerede)』 公共世界における日常会話。「平均的理解が可能」な話し方。「おしゃべり」といってもいい。 (2)『好奇心(Nengier)』 好奇心を持つのは良いことではないのか。ハイデガーによると、好奇心は新しい流行(『彼ら』は目下何をしているのか)と代理経験を欲することである。 (3)『誘惑(Versuchung)』 世界・内に没入、彼らに服従しようとする誘惑。 (4)『鎮静(Beruhigung)』 現存在の落ち着かない気分を日常生活における様々な満足によって洗い流される。現存在の複雑なあり方が我と我が手で世俗的御祓を受ける。 (5)『疎外(Endfremdung)』 存在論的に真である統一された自己から自らを切り離すことをいう。
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