頭数抑制運動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 21:33 UTC 版)
欧米におけるTNR活動において、アメリカ連邦政府野生動物生物庁(U.S Fish and Wildlife Service)は2009年の時点では「個体数が増加も減少もしておらず、TNRの成功事例はひとつもなく、去勢しても野生動物減少に対し即効性がない。」と報告しているなど、有効性がないとする意見が存在する。 そもそもの目的である頭数の減少は、TNR活動に掛かる労力が大きすぎることが課題として挙げられている。鳥類学者でスミソニアン動物園(英語版)保全生物研究所渡り鳥研究センター所長のピーター・P・マラおよびサイエンスライターのクリス・カンテラは、著書でこの効果を研究した論文について言及している。彼らは2006年に発表されたノースカロライナ州立大学のフェリシア・ナターの野外の猫の生存率に関する研究およびカリフォルニア州立大学生物学部の理論生物学者であるパトリック・フォーリーのチームの研究に触れ、前者はほぼ100%の猫の不妊化達成並びに他の地域から猫が移入しない場合に限りTNRが対象とする範囲の中での野良猫の生息数の減退に有効であると結論付け、後者は1992年から2003年のカリフォルニア州サンディエゴでの検証と1998年から2004年のフロリダ州アラチュアでの検証から、それぞれTNRが一定範囲内の猫の生息数を減少させるには71-94%の猫の去勢および不妊手術が必要で、それは現実的な数値ではないと結論付けている。
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