領土・領海問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/22 04:29 UTC 版)
イギリスは、1570年代のマーティン・フロビッシャーによる探検を根拠に北極諸島への領有権を主張してきた。1870年にルパート・ランドの獲得によってカナダの主権は北極諸島の南部に及んだが、この時カナダが得たのはフォックス湾・ハドソン湾・ハドソン海峡に注ぐ流域のみであり、1880年に北極諸島の残りもイギリスからカナダに移された。1895年に北極諸島の大部分を含む範囲が「フランクリン地区」として区分され、ノースウエスト準州に属することになったが、1999年のヌナヴト準州創設に伴いフランクリン地区は廃止された。 北極諸島のすぐ北にある北極点周辺の海域は、カナダを含む各国が海底資源などをめぐって排他的経済水域を主張しているが、これらの主張は一般的には認められていない。さらに、カナダは北極諸島内の北西航路を構成する海峡をすべて内水であるため領海であるとしているが、アメリカなど北西航路に関係する諸国は国際海峡だと主張している。北西航路の問題は、漁業権や資源開発や環境保護などカナダの国益とも関わりがあり、外交問題になりつつある。さらにエルズミーア島とグリーンランドの間のネアズ海峡にあるハンス島をめぐってはカナダとデンマークとの間で係争が起きている。
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