青梅などの毒成分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 09:41 UTC 版)
未熟なウメ(青梅など)に含まれる毒成分は、シアン化物である。 ウメやアンズ、カシューナッツ、ビワなどバラ科植物の果実には、青酸配糖体であるアミグダリンやプルナシンが含まれている。未熟な種子に含まれるエムルシン、または動物の腸内細菌が持つβ-グルコシダーゼといった酵素によって、青酸配糖体が加水分解され、糖とアルデヒド、そしてシアン化水素を生成する。なお、これは胃酸によるシアン化水素の遊離や、ヒトの消化酵素による反応ではない。 シアン化水素の毒性は非常に高いが、アミグダリンなどの経口摂取によって、ヒトが中毒症状を呈するには、こうした果実や種子の大量摂取を必要とする。例として、アンズの種子を20個から40個を摂取した結果による重症例が知られる。また、アミグダリンは果肉と比べ、より種子に多く含まれているため、種子を噛み砕かない限り中毒症状を引き起こす可能性は低い。幼児が青梅の果肉を囓った程度では心配ないとされる。 なお、杏仁豆腐に使用されるアンズの種子は、熟してエムルシン濃度が低下した物を粉に挽き、水に晒してアミグダリンを除去するなどの工程を経ている。また、大部分の市販品はアーモンド粉と寒天等、代替品を使用している。
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