電磁波の波動方程式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/28 20:57 UTC 版)
「マクスウェルの方程式」の記事における「電磁波の波動方程式」の解説
マクスウェルの方程式から、電磁波の伝播についての記述を得ることができる。真空または電荷分布がない絶縁体では、電場と磁場が次の波動方程式 ∇ 2 E − μ ε ∂ 2 E ∂ t 2 = 0 {\displaystyle \nabla ^{2}{\boldsymbol {E}}-\mu \varepsilon {\frac {\partial ^{2}{\boldsymbol {E}}}{\partial t^{2}}}=0} ∇ 2 H − μ ε ∂ 2 H ∂ t 2 = 0 {\displaystyle \nabla ^{2}{\boldsymbol {H}}-\mu \varepsilon {\frac {\partial ^{2}{\boldsymbol {H}}}{\partial t^{2}}}=0} を満たすことがマクスウェル方程式から示される。これは電磁場が媒質中を速さ v = 1 μ ε {\displaystyle v={\frac {1}{\sqrt {\mu \varepsilon }}}} で伝搬する波動であることを意味する。媒質の屈折率 n = μ ε μ 0 ε 0 = c μ ε {\displaystyle n={\sqrt {\frac {\mu \varepsilon }{\mu _{0}\varepsilon _{0}}}}=c{\sqrt {\mu \varepsilon }}} を導入すれば、 v {\displaystyle v} は v = c n {\displaystyle v={\frac {c}{n}}} とも表される。 導出の詳しい過程については「b:電磁波の式の導出」を、正確なWikipediaのマークアップでの表示については「利用者:知識熊/sandbox/電磁波の波動方程式の導出」を参照 ここで、真空の誘電率と真空の透磁率の各値から導かれる定数 c {\displaystyle c} の値が光速度の値とほとんど一致することから、マクスウェルは光は電磁波ではないかという予測を行った。その予測は1888年にハインリヒ・ヘルツによって実証された。ヘルツはマクスウェルの方程式の研究に貢献したので、マクスウェルの方程式はマクスウェル-ヘルツの(電磁)方程式と呼ばれることもある。
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