電磁波エネルギーへの変換
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 01:37 UTC 版)
「インピーダンス」の記事における「電磁波エネルギーへの変換」の解説
高周波電流を電磁波に変換する素子は空中線あるいはアンテナと呼ばれる。電気回路としてのアンテナは LC 直列回路であり、導線中に微量の抵抗成分 R がある。通常のアンテナは共振状態にあることを考慮すると、上記のRLC回路での議論に基づき、インピーダンスはその微量の抵抗成分 R のみとなってしまうがこれは誤りである。アンテナは高周波エネルギーの伝播媒体である同軸ケーブルあるいは平行線路と、電磁波の伝播媒体である空中(誘電体)のインピーダンス変換器である。同軸ケーブル等で伝送された高周波エネルギーが電磁波エネルギーに変換される際に、電気回路側ではそれが単にエネルギー消費されたと見える。この見かけのエネルギー消費に対応する実数成分としての電気抵抗 R i {\displaystyle R_{i}} (放射抵抗または輻射抵抗という)を擬似的に考えるとアンテナのインピーダンスは Z = R + R i {\displaystyle Z=R+R_{i}} である。通常は R ≪ R i , R ≈ 0 {\displaystyle R\ll R_{i},R\approx 0} とみなせる。アンテナの代表的なインピーダンスは 50, 73Ω等である。アンテナのインピーダンスは周波数によって変化するものであるものの、アンテナは通常、共振周波数に十分近い周波数の範囲で使用されるため、インピーダンスは一定とみなすことができる。または、インピーダンスが一定とみなせる周波数の範囲が、アンテナが動作する周波数の範囲の定格として表示されているともいえる。
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