電気同調の動的単一モード・レーザ ~波長可変レーザ~
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 00:37 UTC 版)
「末松安晴」の記事における「電気同調の動的単一モード・レーザ ~波長可変レーザ~」の解説
電気により波長を同調する動的単一モード・レーザは、図1(c)に示す構造が基本で、二つの分布反射器で挟まれた中に、レーザ増幅部と位相可変領域とを設けるものである(図5)。分布反射器と移相領域とには別々の電流を加えて屈折率を変え、波長を変える。1980年に末松らが発明し、1983年に、東盛裕一らの協力で電気的に波長が可変できる動的単一モードレーザの動作を実証した。電気的に波長が変えられるので、波長可変レーザとも呼ばれる。これらの研究を含んで、1986年のIEEEデビッド・サーノフ賞(IEEE、米国)が与えられ、1998年にドイツで出版された”Tunable Laser Diode”(初版)には、末松の序文が求められて執筆している。この波長可変レーザは、その後、1993年にNTTの東盛裕一・吉国裕三らや、カリフォルニア大学のLarry Coldrenが、複数の周期構造を混在させた分布反射器を用いて共振状態を櫛の刃状にし、共振の波長を飛び飛びに変える技術を導入して、波長可変範囲を大幅に拡大することに成功した。多値変調のような狭スペクトルレーザの要求には、金子俊光らのように、プラズマ効果に代わってマイクロヒータを用いる局部的な温度変化の方法が適用されている。2004年に、まず米国で高密度の波長領域多重(D-WDM; Dense Wavelength Division Multiplexing)通信用に商用化され、その後に世界で広く使われている。このレーザは電気的に独立して波長制御が出来るので、次に述べる能動光集積回路と一体化した光源に利用できる優れた特徴がある。
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