電子ジャーナルの使い方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/04 04:18 UTC 版)
「電子ジャーナル」の記事における「電子ジャーナルの使い方」の解説
電子ジャーナルのサービスは通常目次、抄録、本文と検索ツールからなっている。読者は目次から入って、読みたい論文を探す事ができる。またキーワードで論文を検索することもできる。電子ジャーナルのサービスでは、通常全文検索が可能である。つまり、論文中にあるどんなことばでも検索の対象となる。 多くの研究者は、専門のデータベース、たとえば医学分野の PubMed、化学分野の SciFinder、科学全般の Web of Science などで文献を探しているが、その検索結果に電子ジャーナルへのリンクが張られているので、簡単に論文にアクセスできる。最近では Google Scholar も広く使われるようになってきた。 論文の本文は HTML または PDF で提供されている。論文の概要をざっと理解するには HTML の方が速いが、じっくり読むには PDF をプリントして使っているようである。 学術論文では、その研究をおこなう際に参考とした他の論文を引用するのが習慣であり、義務となっている。電子ジャーナルではこのような引用文献リストから、引用されている文献にリンクが張られており、読者は著者が参考とした論文をすぐに読むことができる。はじめはこのリンク先は同じ出版社の電子論文だけだったが、現在では CrossRef というリンクサービス経由で他の出版社の電子論文にもリンクされるようになった。このリンクにはDigital Object Identifier (DOI) を用いている。主要な電子ジャーナルの論文にはすべて DOI が付与されている。論文の著者にとっては、自分の論文を誰が読んで引用したかがすぐにわかる。引用されたときに著者にメールでアラートを送るサービスも普及しはじめている。 電子ジャーナルの特徴のひとつは、冊子体の雑誌には掲載できない電子コンテンツを追加できることである。たとえば論文の内容を補足する動画や高解像度の画像などを補助資料として載せる事が可能である。また、論文が後に訂正されたときも、すぐ訂正内容を見ることができる。ただし、学術論文の場合は研究記録としての意味が重要なので、一旦出版されたら、訂正があっても元の論文を直接訂正することはない。訂正記事を別途掲載し、元の記事はそのまま残すことになっている。最近話題となっているように捏造や不正行為のために論文が撤回されても、論文を物理的に消すわけではないので、撤回された論文も読むことができる。
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