難民再定住計画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/04 03:34 UTC 版)
「連合国救済復興機関」の記事における「難民再定住計画」の解説
救済物資の供与と並行して、「難民再定住計画 (displaced persons program) 」も実施された。同計画は難民や捕虜を本国に送還する事業であり、主にドイツで行われた。 ナチ統治下のドイツでは、戦争機構に奉仕するために全欧州から労働力が集められており、その数は約650万人に及んだ。この他、オーストリアには14万5,000人の、イタリアには12万5,000人の難民がいた。 しかし、本国への帰還を望まない難民が多く現れるという、想定外の事態が生じた。ソ連は、ソ連国民は本人の意思に関係なく本国に送還されねばならないと主張したが、他の参加国の大半はこれに反対した。ソ連の主張は理事会で否決されたが、新たな定住先が決まるまでの間、多数の難民をUNRRAが保護する必要が生じたのである。 UNRRAはドイツに難民キャンプを設置し、米英仏の占領軍が供与した物資によって難民を扶養する一方、「職業訓練を通じた復興のための機関 (Organization for Rehabilitation through Training, ORT) 」を設立して、職業訓練や就業斡旋を実施した。また、強制的にドイツに連行された1万2,000人以上の児童をドイツ人家庭や諸機関に引き取らせた。
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