雑草、害草としての扱い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/01 08:14 UTC 版)
「アカウキクサ属」の記事における「雑草、害草としての扱い」の解説
前述したように、緑肥などとして扱われる一方で、水面を覆うことで水温を低下させ、水中を貧酸素状態にするため、害の強い雑草としても扱われる。そのため、除草剤等で駆除される場合がある。農地において被害が出ることもあり、1959年には佐渡島でオオアカウキクサが大繁殖し、約120haもの被害面積を出したため、農薬等で駆除された。水稲がまだ定着していない段階でアカウキクサが繁殖し水面を覆うと、幼苗の生長を妨げるという点も、雑草として扱われる理由の一つである。 また、実利的な被害のために除去されるだけではなく、赤い草体が水面を覆うことで、湖や日本庭園の景観を損なうという理由で駆除されることもある。また、アカウキクサで覆われた湖面を地面と間違えて、子どもが誤って湖に落ちてしまうという事故も発生しており、看板を立てて警戒を呼びかけるといった事態に発展することもある。そのほか、カスミサンショウウオやオニバスなどの希少な生物が生息している水域に繁殖することで、その水域の生態系に影響を及ぼす事例などが知られているため、その場合でも駆除が検討される。特に、水中の酸素を減少させることで酸欠状態となるため、魚類などが死滅する可能性が指摘されており、実際に養魚場では強害草として扱われている。また水中に届く日光を遮って、他の水生植物の生長を抑えることが懸念されているが、実際に植物の繁殖を阻害するかどうかについてや、水生昆虫に対する影響の有無などについては、2010年現在研究事例がない。 本来アカウキクサが生育していない水域であっても、植物体が水鳥の足などに付着して運ばれ、大繁殖したとみられる例が確認されている。網などですくって除去しても、取り残された僅かな個体からすぐに繁殖し、再び水面を覆ってしまうため、除去は容易ではない。しかしその一方で、一面に繁茂していたアカウキクサの個体群が、食害などによって数年で自然に消滅する事例も多くある。
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