隼のゆくえ(The Painted Tent)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/25 06:07 UTC 版)
「スマイラー少年の旅」の記事における「隼のゆくえ(The Painted Tent)」の解説
スコットランドをも逃げ出したスマイラーは、またヒッチハイクを試み、いくつかの失敗の後、ジミー・ジャゴーに拾われる(このくだりは前作のラストで語られる)。ジミーの計らいで、南西イギリスのデボンにある農場で、ジミーの母である公爵夫人(ダッチェス)に雇われたスマイラーは、獣医になる夢を実現させるため、仕事の傍ら個人教授を付けてもらい、勉強する事になる。公爵夫人の計らいでスコットランドに残してきた恋人ローラとも連絡が付くようになり、二人はしばらく文通を続ける。その間に公爵夫人やジミーはスマイラーのために動いており、いつしかブリストルにいる元々の元凶、ジョニー・ピカリングにも、謎の手紙が届くようになる。やがてローラが、休暇を利用してスコットランドからやってきた。楽しい一週間を過ごす二人だが、別れの前日、ローラはスマイラーに、デボンに来る途中彼の姉夫婦に会って、自分の知っている限りのスマイラーの近況を話したと告げ、姉夫婦のもとに届いていたというスマイラー宛の父親からの手紙を手渡す。そこには、スマイラーに対する激励と、物事に勇気を出して立ち向かう事(つまり、警察に出頭して無実を証明するために戦う事)を薦める文面が書かれていた。翌日、ローラとの別れの際にスマイラーは列車の中で読んで欲しいと手紙を手渡す。そこには自分が決心した事が書かれており、それを読んだローラは涙を拭う。そしてスマイラーは、知り合いの警官(もちろん公爵夫人の計らいで、真実は知らなかった)に事の真相を告げる。驚いた警官だが、公爵夫人を交えた話し合いの末、すぐには結論も出ないし、こうして自分から言い出した以上逃げ出したりもしないだろうと、しばらく待機するように告げる。スマイラーが退出した後で、警官は「彼は正しい結論を出した。」と評する。やがてブリストル警察から警部がやって来て、スマイラーと面会する。しかし、警部がスマイラーにする質問は、どれもスマイラーとは関係のなさそうな質問であった。よくよく話を聞いてみると、その日の朝に事情を聞くために警官がジョニー・ピカリングの家に行ったところ、ジョニーは警官を見るなり真っ青になって事の真相を洗いざらい白状したという。度重なる「警告」の手紙が届いた事で、ジョニーは既に罪の意識で押しつぶされそうになっていたのである。こうしてスマイラーの疑いは晴れ、獣医としての勉強を更に進める事になる。やがてブリストルの姉夫婦のもとに帰って行ったスマイラーの将来を占うため、彼とローラの残して行ったものを持って占い小屋に入った公爵夫人は、その水晶玉の中に二人の幸せな未来を観て、満足そうに頷くのであった。
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