陸軍軍服の変遷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 08:37 UTC 版)
「軍服 (イギリス)」の記事における「陸軍軍服の変遷」の解説
現在に至るイギリス陸軍の組織が出来たのは清教徒革命後の王制復古により即位した、チャールズ2世の時代である。当時は連隊ごとの制服が着用され始めた頃であり、一部の国で同じ色のサッシュを身に付ける事が行われていた。17世紀末頃から歩兵の上着の色が国毎に統一されるようになり、イギリス歩兵は赤色の上着を着用するようになった。(ちなみに、フランスは青、プロイセンは紺青色(プルシアンブルー)、オーストリアは白、ロシアはオリーブグリーン、バイエルンは水色) 英国陸軍では戦訓や一般社会の変化等により新しい服装が導入されても古い服装を残して種類を増やして行く事が軍服の変遷における特徴となっている。具体的には、19世紀後半の軍服が正装、同じく19世紀後半の常装・略装が礼装、20世紀前半の戦闘服が常装となって残っている。そのため現在の服装規定では、服装の種類が他国に比べて多くなっている。 ブルーズ・アンド・ロイヤルズ連隊の制服の変遷 ロイヤル・ホースガーズ連隊(Royal Regiment of Horse Guards)(Royal Regiment of Horse)(1742)。1742年制服大改正時の制服。紺色の上着(18世紀中頃様式)、ベスト、ブリーチズ(半ズボン)、三角帽。 ロイヤル・ホースガーズ・ブルーズ(Royal Horse Guards Blues)(1758)。1751年改正後。ベストとブリーチズが赤に変更。 ロイヤル・ホースガーズ・ブルーズ(1806)。上着がフロック、帽子が二角帽に代わる。ブリーチズが白になり、肩にはエポーレットが付く。 ロイヤル・ホースガーズ(ブルーズ)(Royal Horse Guards(Blues))(1828)。この絵では見えないが、フロック前面の折り返しが無くなり、赤と金の帯状の装飾になる。胸甲とローマ風ヘルメットを着用。 ロイヤル・ホースガーズ(1834)。帽子がベアスキンに変更。19世紀初頭からこの頃まで帽子の変更が頻繁に行なわれている。 第1竜騎兵連隊(1st (Royal) Regiment of Dragoons)(通称:ロイヤル)(1839)。統合前のため(統合は1969年)、一般的な重騎兵部隊の制服である。この頃、ブリーチズに代わってトラウザーズ(長ズボン)が着用されるようになった。 ロイヤル・ホースガーズ(1847)。1842年、アルバートヘルメットが採用された。このヘルメットは現在でも正装用として使用されている。 王室騎兵隊の下馬正装。紺の服がブルーズ・アンド・ロイヤルズ連隊。赤い服はライフガーズ連隊(2006)。現在の下馬正装。上着はショルダーノッチタイプの肩章が付いたチュニック(腰丈で裾が水平なシングルボタンの上着)。下半身はトラウザーズに短靴。上着がフロックからチュニックに代わったのは1860年前後である。 ブルーズ・アンド・ロイヤルズ(2007)。胸甲と乗馬用の白ズボン及び長靴を着用した現在の乗馬正装。1860年頃には目的別の服装が採用され、この服装は正装に位置づけられたため、その頃から大きな変化無く現在に至る。
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