陸軍の汚職問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/09 05:40 UTC 版)
「アブドゥル・ハリス・ナスティオン」の記事における「陸軍の汚職問題」の解説
1956年以降、ナスティオンは陸軍内の汚職を根絶しようと努力してきた。1945年憲法への復帰によって彼はこの問題に取り組む決意を新たにした。彼によれば、軍は社会の人々に手本を示すべきであった。スカルノの7月5日大統領令からほどなくして、ナスティオンはスンコノ准将を派遣して、第4地域軍管区(ディポヌゴロ師団)とその司令官スハルト大佐の取引帳簿を調査させた。 スンコノの調査が明らかにしたのは次のようなことだった。スハルトは地方司令官在職中に地域住民を扶助するための財団を設立した。しかし、これらの財団は、生産業者やサービス業に対する課税によって得られた資金(業者がすすんで寄付した資金ではない)によって設立されたものだった。スハルトは非合法のバーター貿易にも関与していた。密かに砂糖を輸出し、タイ王国から米を輸入していたのである。 ナスティオンはスハルトを処罰し、実際に彼を陸軍から追放しようと考えていた。しかし陸軍参謀副長ガトット・スブロトが仲裁に入った。ガトット・スブロトはディポヌゴロ師団の司令官時代からスハルトの才能を気にかけていたので、スハルトを庇護してきた。ガトットは、スハルトの才能はさらに伸びるから彼を追放しないようにと、ナスティオンに頼んだ。ナスティオンはガトットの頼みを聞き入れ、スハルトを現職から更迭し、陸軍指揮幕僚学校 (Sekolah Staf Komando Angkatan Darat, 略称SESKOAD) に送る、という決定を下した。
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