陶磁器焼成窯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/06 22:40 UTC 版)
陶磁器の焼成は初め野原に成形した作品に草木を被せて焼く野焼きが主であった。しかし、この方法は燃焼温度が低い上に燃焼効率も低いため、次第に斜面に穴を掘り、下側を焚き口、上側に煙突を設けその中間に成形品を入れて焼く窖窯が利用されるようになった。これにより、焚き口と煙突の間に煙突効果が生じて空気の供給量が増大するため、高温での焼成が可能となった。しかしこの構造では焚き口の近くと遠くで焼成温度が変化したり、焼成雰囲気が一定しないこと等で、焼成不良や陶器の発色が不安定となるなどの欠点がある。このため江戸時代初期に肥前の唐津に、斜面の下から上に焼成室(房)を複数連ねた最上部に煙突を取り付け、更に各燃焼室毎に燃料や空気供給用の差木孔を設けた、登り窯または連房式登窯と言われる窯形式が導入され、そこから尾張・美濃に伝わり、更に日本各地に広がった。
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