閉サイクル蒸気タービン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 03:15 UTC 版)
「非大気依存推進」の記事における「閉サイクル蒸気タービン」の解説
閉サイクル蒸気タービン (Closed cycle steam turbines) とは、液体酸素を酸素供給源として燃料を燃焼させた熱を利用する蒸気タービン機関である。現存の諸方式のうち、ヴァルター機関の原理にもっとも近いのがこの方式である。 フランスのDCNS社が開発したMESMA(水中自律エネルギー・モジュール(ポーランド語版)、Module d'Energie Sous-Marine Autonome)がその実用例である。MESMAでは、液体酸素を気化して得られた酸素とエタノールの混合気体を燃焼させて得た700℃の燃焼ガスを用いて、蒸気発生装置で500℃の水蒸気を発生させ、この水蒸気で蒸気タービンを駆動して発電を行う。 DCNS社は1988年に出力400kWの実験プラントを製作し、試験を実施した。その結果を受けて、1996年からはプロトタイプの開発が認可され、1998年には実用段階に到達したことが確認されている。 日本では海上自衛隊と技術研究本部において、昭和29年度から31年度にかけて、新三菱重工と共同で軽量小型高圧燃焼ボイラー・タービン(KRT)の開発が行われた。これは液体酸素と燃料を小型のボイラーで高圧燃焼させ、蒸気タービンを駆動する方式であった。酸素の取り扱いと起動時間の問題により研究は中止された。
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