金属核
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 07:14 UTC 版)
水星・金星・火星の地球型惑星は、自重による圧縮を考慮してもなお密度が岩石より高いことから、地球と同様に金属核が存在することが推定できる。惑星に対する核の半径の比率はさまざまで、火星は40%、地球や金星は50%、水星では75%に達する。金星や火星には地球のような強い磁場がないことから、地球の外核のような液体層は存在しない(ダイナモ効果が働いていない)と考えられているが、水星の核は地球と同様に一部が融解して磁場を発生させていると言われる。 月やガリレオ衛星など大型の衛星にも金属核が存在する可能性が高い。ガリレオ衛星のイオやエウロパは、半径の三分の一程度の核を持つと予測されている。ただし、地球以外で地震波による探査がなされた唯一の天体である月では、金属核の明確な証拠はまだ見つかっていない。月は平均密度が高くないため、金属核が存在するとしても小さいものだと考えられている。 鉄隕石と石質隕石の存在から、小惑星の中にも、金属層と岩石層が分化し、金属核を持つものがあることがわかる。過去に溶融状態を経験した小惑星は層状に分化した内部構造を持つようになると考えられている。代表例としてはベスタが挙げられる。
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