金尾文淵堂と金尾種次郎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/01 08:16 UTC 版)
「与謝野晶子訳源氏物語」の記事における「金尾文淵堂と金尾種次郎」の解説
与謝野晶子による現代語訳源氏物語は、一度目の翻訳である「新訳源氏物語」も、二度目(または三度目)の翻訳である「新新訳源氏物語」も、いずれも金尾文淵堂から出版されている。金尾文淵堂は、もともとは大阪の心斎橋筋にあって代々もっぱら仏教関係の本を出していた小規模な出版社兼書店であったが、金尾種次郎(1879年-1947年)の代になって事業を広げ、明治38年には東京へ進出、さまざまな書籍を出版するようになっていた。金尾文淵堂は当時凝った豪華本を出すことで有名な出版社であり、この新訳源氏物語も大変凝った造りになっている。与謝野晶子の生涯に亘る全著作は70点を超えており、それらは多くの出版社から出版されたが、金尾文淵堂は、そのうち18点という最も多くの本を手がけている(2番目は北原鉄雄が主宰する「アルス」の5点)。本書「新訳源氏物語」以前にも『小扇』(明治37年1月刊行)、『夢の華』(明治39年9月刊行)、『華泥集』(明治44年1月刊行)、『一隅より』(明治44年7月刊行)など与謝野晶子の著作をいくつか手がけていた出版社である。また「新訳源氏物語」以後にも多くの与謝野晶子の著作の出版を手がけている。逆に金尾文淵堂の側から見ても、与謝野晶子とは、「金尾文淵堂が出した本を作家別に見た場合、最も多くの本を出した作家」である。
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