重心の計算
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 09:53 UTC 版)
k 個の点 x1, x2, xk ∈ Rn の成す有限集合の幾何中心は C = x 1 + x 2 + ⋯ + x k k {\displaystyle C={\frac {x_{1}+x_{2}+\dotsb +x_{k}}{k}}} で与えられる点である。この点は、集合の各点からの平方ユークリッド距離の和を最小化する。 平面図形 X の重心を、図形を有限個のより単純な図形 X1, X2, …, Xn に分割することで計算することができる。各小図形片 Xi の重心を Ci, 面積を Ai として、X の重心の各座標は C x := ∑ C i x A i ∑ A i , C y := ∑ C i y A i ∑ A i {\displaystyle C_{x}:={\frac {\sum C_{i_{x}}A_{i}}{\sum A_{i}}},\quad C_{y}:={\frac {\sum C_{i_{y}}A_{i}}{\sum A_{i}}}} と求められる。X に穴があったり、小片が重なっていたり、小片が図形の外にはみ出していたりする場合でも、面積を符号付きで考えていれば式は成立する。具体的には、各小片の符号付き面積の符号は、考えている図形の存在する空間の各点 p に対し、p が X に属すれば p を含むすべての小片 Xi に対するAi の符号の和が 1, さもなくば 0 となるように正または負と決められる。 Xi の「面積」のところを「体積」とし、z-座標にも同じ形の式を追加すれば、同じことは三次元でも成り立つ。また同様に、d-次元体積(容積)をとれば、任意の次元 d に対する Rd の任意の部分集合に対しても成り立つ。 Rd の部分集合 X の重心を積分 C = ∫ x g ( x ) d x ∫ g ( x ) d x {\displaystyle C={\frac {\int xg(x)\,{\mathit {dx}}}{\int g(x)\,{\mathit {dx}}}}} によって計算することもできる。ただし、積分は全空間 Rd にわたってとるものとし、g は X の指示函数とする。分母は単に X の測度(d-次元容積)のことであるのに注意せよ。この公式は X が零集合の場合や積分が発散する場合には有効でない。 別の公式として、Sk(z) は X と方程式 xk = z の定める超平面との交わりの測度として、幾何中心 C の第 k-座標は C k = ∫ z S k ( z ) d z ∫ S k ( z ) d z {\displaystyle C_{k}={\frac {\int zS_{k}(z)\,{\mathit {dz}}}{\int S_{k}(z)\,{\mathit {dz}}}}} で与えられる。これもやはり分母は単に X の測度である。 特に平面図形として、連続函数 f, g と区間 [a, b] で囲まれた領域を考えるとき、その重心 (x, y) は、f(x) ≥ g(x) (∀x ∈ [a, b] のとき、A をその領域の面積 ( = ∫ a b [ f ( x ) − g ( x ) ] d x {\textstyle =\int _{a}^{b}[f(x)-g(x)]\,{\mathit {dx}}} ) として x ¯ = 1 A ∫ a b x [ f ( x ) − g ( x ) ] d x , y ¯ = 1 A ∫ a b [ f ( x ) + g ( x ) 2 ] [ f ( x ) − g ( x ) ] d x {\displaystyle {\begin{aligned}{\bar {x}}&={\frac {1}{A}}\int _{a}^{b}x[f(x)-g(x)]{\mathit {dx}},\\{\bar {y}}&={\frac {1}{A}}\int _{a}^{b}\left[{\frac {f(x)+g(x)}{2}}\right][f(x)-g(x)]{\mathit {dx}}\end{aligned}}} で与えられる。
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