避難安全検証法とは? わかりやすく解説

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避難安全検証法

2000年建築基準法改正にあたり建築物避難安全に関して従来仕様規定加え新たに性能規定追加された。これまで法令定められ一律仕様規定であったが、この法により安全面検証し一定の性能満たせば、材料設備構造など自由度確保した設計採用が可能となった避難規定には、従来仕様規定である「ルートA」と新たに追加され性能規定ルートB」「ルートC」の3つの種類がある。 「ルートA」は、一律に定められ従来仕様規定合致した方法で、地方自治体建築主事確認行なう。 「ルートB」は、政令告示定められ計算式によって安全性検証する方法で、「階避難安全検証法」と「全館避難安全検証法」の2つ分類される。「階避難安全検証法」とは、火災発生した場合、その階のすべての人が直通階段まで避難完成するまでに、煙やガス避難支障のある高さまで降下しないことを検証するのである一方の「全館避難安全検証法」とは、火災発生した場合在館者のすべての人が、地上までの避難完了する間に、煙やガス避難支障のある高さまで降下しないことを検証する。「ルートA」同様に建築主事確認行なう
ルートC」は、告示定められ計算式用いず避難安全性能証明する方法具体的には、コンピュータ使っていくつもシミュレーション行なう避難時の行動予測し安全性検証するなど。「ルートC」に関しては、建築主事確認だけでなく、国土交通大臣認定必要になる
避難安全検証法のメリット
従来建築基準法防災に関する規定は、詳細に仕様規定されており、決められ基準沿って設計必要だったが、同法によって避難安全が確認できた場合は、一部排煙口や防煙垂壁などの排煙設備不要となるため、工事費管理費削減可能になる。それに併せて外観内装制限緩和されるため、設計プラン自由度が高まるといったメリットがある。


避難安全検証法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/17 09:49 UTC 版)

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避難安全検証法(ひなんあんぜんけんしょうほう)は、建物の在館者が火災発生時に安全に避難できることを計算により証明することで、建築基準法で定められた制限に対して一部を適用除外とする規定である[1]

概要

平成12年6月の法改正により、従来の仕様規定であるルートAに加え、性能規定であるルートB及びルートCによる制限の適用除外が可能となった。 従来のルートAによる仕様規定では実態にそぐわない過剰設計となる傾向があったため性能による規定を行う手法が取り入れられた。

ルートBには当該階における検証を行う階避難安全検証、建物全体の検証を行う全館避難安全検証の2種類がありそれぞれ計算方法が国土交通省告示で定められている[2][3]。 階避難安全検証法と全館避難安全検証法では適用除外となる制限が異なる[4]

ルートCは、計算については告示で定められた手法を採用するルートBと異なり、独自の検証や予測手法など高度な専門知識を用いて性能評価委員会の評定の取得及び国土交通大臣申請及び認可を得る手法である。そのため、検証期間が長くなるがデザイン設計における自由度を最も得られるというメリットがある[5]。この規定を用いることで大空間を有する大型商業施設工場倉庫などは排煙設備の規定の除去や防煙区画規制の緩和によりコストの低減やプランニングの自由度が上がる一方、集合住宅ホテルでは得られるメリットが少ない傾向にある。また、病院児童福祉施設には避難安全検証法の適用が不可である[6]

適用除外となる制限

階避難安全検証法
  • 119条 廊下の幅
  • 120条 直通階段までの歩行距離
  • 123条3項1号 特別避難階段の構造 付室の設置
  • 123条3項2号 特別避難階段の構造 排煙設備の設置
  • 123条3項12号 特別避難階段の構造 付室などの面積
  • 123条3項10号 防火設備
  • 124条1項2号 物品販売業を営む店舗における避難階段等の幅 階段への出口幅
  • 126条の2 排煙設備の設置
  • 126条の3 排煙設備の設置
  • 128条の5 特殊建築物の内装


全館避難安全検証法(階避難安全検証法による適用除外項目も含む)
  • 112条5項  11階以上の100㎡区画
  • 112条9項  竪穴区画
  • 112条9項  異種用途区画
  • 123条1項1号  避難階段の構造 耐火構造の壁
  • 123条1項6号 避難階段の構造 防火設備
  • 123条2項2号 屋外避難階段の構造 防火設備
  • 123条3項3号 耐火構造の壁
  • 124条1項1号 避難階段等の幅
  • 125条1項 屋外への出口までの歩行距離
  • 125条3項 物品販売業を営む店舗における屋外への出口幅

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 避難安全検証法とは”. イズミシステム設計. 2021年1月22日閲覧。
  2. ^ 階避難安全検証法に関する算出方法等を定める件”. 国土交通省. 2021年1月22日閲覧。
  3. ^ 全避難安全検証法に関する算出方法等を定める件”. 国土交通省. 2021年1月22日閲覧。
  4. ^ 避難安全検証法とは”. イズミシステム設計. 2021年1月22日閲覧。
  5. ^ 避難安全検証法(ルートB・ルートC)とは?種類やメリットを紹介”. CBRE. 2021年1月22日閲覧。
  6. ^ 避難安全検証法の主なメリット・デメリット”. イズミシステム設計. 2021年1月22日閲覧。

関連項目




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