速く飛ぶためのくふう
ライフル銃の弾丸よりも速い、ロケットのスピード
ロケットで、人工衛星を地球周回軌道(きどう)にのせるためには、秒速7.9kmの速度が必要です。また、地球の引力を脱出して月や惑星(わくせい)に向かうには秒速11.2kmもの速度が必要です。ライフル銃から発射される弾丸の速さが毎秒1、2kmであることを考えると、いかに速い速度であるかがわかると思います。ロケットがこのような高速で飛行するためには、「燃焼ガスの噴射速度」と「質量比」の関係が重要になります。
「質量比」は推進剤を積んだロケットの重さを、空(から)の重さで割ったもの
質量比とは、ロケットの推進剤タンクやエンジンなどの構造物(ロケットの機体など)が、どのくらい軽くつくられているかを示すもので、[質量比=推進剤(すいしんざい)を積んだときの全体質量÷燃焼が終了し、空(から)になったときの全体質量]という式によってあらわされます。この値が大きいほど、ロケットは推進剤を多く積んでいることになり、最終速度を速くすることができます。現在使われている多くのロケットの質量比は、6~20程度です。
ロケットの重さの大部分は、宇宙へ行くための「推進剤」
燃料比とは、ロケットの全重量に対しての推進剤(すいしんざい)の重量の割合です。「燃料比のちがい」のグラフを見ると、燃料比が50パーセント以下のジェット旅客帰船、自動車、ディーゼル機関車などとことなり、ロケットはその重さの大部分が推進剤であることがわかります。
「比推力」が大きい推進剤ほど性能がよく、ガスの噴射速度が速い
比推力(ひすいりょく)とは、ロケットの推進剤の性能を示すものです。この数値は、推力や速度を上げるために重要で、[比推力=推力÷1秒間に消費される推進剤の質量]という式であらわされます。この比推力が大きい推進剤ほど性能がよく、燃焼後のガスの噴射速度が速いのです。また、比推力は燃焼ガスの噴射速度をあらわしており、比推力の10倍が噴射速度だと考えられます。つまり、比推力250秒の推進剤の噴射速度は秒速約2,500mです。
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