載記とは? わかりやすく解説

載記

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/16 01:47 UTC 版)

載記』(さいき)とは、中国歴史書の一形態を指す用語であり、本紀列伝世家などと並んで用いられる。列国の事柄を記録した箇所を指すものである。

概要

載記がはじめて立てられたのは『東観漢記』においてであり、新末後漢初の群雄に関する諸篇を載記と呼んだ。『後漢書班固伝において、「(班)固は又た、功臣の平林新市公孫述の事を撰して、列伝・載記二十八篇を作り、之を奏す」と記されている。

晋書』では、五胡十六国の事柄を記録した部分に対して、「載記」の名称を用いている。

の阮孝緒『七録』では紀伝録に「偽史部」を設けている(『広弘明集』による)。『隋書経籍志では「覇史」と呼ぶ。

朝の趙翼は『二十二史箚記』の中で、「晋書は僭偽諸国に於て数代に相伝する者を、世家と曰わずして載記と曰う」と述べている。帝位あるいは王位を僭称したものが『載記』に収録されており、正統な手段に則って位に就いたものは「世家」に収められるということを示している。

四庫全書』も『史部・載記類』の分類を設け、『呉越春秋』以下の各地に割拠した地方勢力に関する歴史書を収録している。『四庫全書総目提要』によれば、「今、『呉越春秋』以下、偏方僭乱遺蹟を述べる者を採録し、『東観漢記』・『晋書』の例に準じて、総題して載記と曰い、義に於て允と為す」とその採録の基準について述べている。

国共内戦台湾に追われた中華民国政府が『清史稿』を改訂して『清史』を編纂した際に、鄭氏政権太平天国に関する記事を「鄭成功載記」「洪秀全載記」として追加している。


載記(さいき)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/28 04:02 UTC 版)

紀伝体」の記事における「載記(さいき)」の解説

各地割拠した自立諸勢力記述天子公然と反旗を翻し自立したり、自ら帝位僭称したりした点で世家に似るが、世家記述される群雄はかつて天子によって各地封建された正統諸侯出自であるのに対し、載記で記述される群雄戦乱乗じて各地武装蜂起した反乱勢力出自である点が異なる。『晋書』からはじまったもので、いわゆる五胡十六国記述用いられた。司馬遷は秦末の反乱首謀者陳勝呉広事績を「陳勝呉広世家」としているように、当初はこれを区別する意図はなかったと考えられる。『新五代史』での十国記述世家として書かれている

※この「載記(さいき)」の解説は、「紀伝体」の解説の一部です。
「載記(さいき)」を含む「紀伝体」の記事については、「紀伝体」の概要を参照ください。

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