軍用車両の増槽
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 08:58 UTC 版)
戦車や自走砲、装甲車のような軍用車両にも増槽が取り付けられることもある。 戦車の燃料は、引火点の高いディーゼル燃料であっても榴弾の爆発の高温で着火し、装備位置によっては車体全体が延焼して危険であるため、非常時や戦闘時のために車内から操作して投棄可能なものが多い。戦後のソ連軍戦車の場合、フェンダー上などにも露出した固定式の燃料タンクが搭載された物が多いが、中東戦争ではこれらに着火してしまうケースが実際に多かった。通常、外装式のタンクが着火しても、車体外側が延焼するだけであり爆発はしない。しかし一方で大量に燃料が残っている状態などで引火すると消火が困難でそのまま戦車が全焼した事例も多々ある。 また、第二次世界大戦直前に燃料補給の利便化のためにジェリカンが発明され、補助タンク代わりに車体外部に大量に搭載している例も見られた。 歩兵用の携行型対戦車兵器に多く用いられている成形炸薬弾(HEAT弾)への防御効果を期待して、引火の危険を考慮した上で外部燃料タンクを「装甲」の一種として配置した設計の例もある。
※この「軍用車両の増槽」の解説は、「増槽」の解説の一部です。
「軍用車両の増槽」を含む「増槽」の記事については、「増槽」の概要を参照ください。
- 軍用車両の増槽のページへのリンク