軍事力の差
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 07:17 UTC 版)
侵略側と被侵略側の軍事力はしばしば懸絶しており、それが植民地化を進める一つの要因となった。大航海時代の新大陸においては、鉄の武器や防具を標準的に装備し、騎兵を擁し火砲まで所持していたスペイン側に対し、新大陸側の勢力はアステカやインカなどの大勢力ですら鉄器文明に到達しておらず、また青銅器使用も装飾品にとどまっており、石器での応戦を余儀なくされた。この軍事・技術レベルの差によってスペインは寡兵であっても新大陸側の大勢力を打ち破り、広大な植民地を建設することを可能とした。旧大陸側に進出したポルトガルは新大陸ほどの軍事レベル差はなかったものの、銃や火砲によって現地勢力よりも優位に立ち、軍事レベルの差が縮まる17世紀にいたるまで要所に港湾を確保しつづけることに成功していた。 19世紀に入ると、科学革命や産業革命による武器の発展によってヨーロッパ諸国の軍事力はさらに増大し、それまでさほど差のなかったアジアの大帝国に対しても軍事力に大きな差をつけるようになった。これによって侵略のコストは大きく下がり、この時期の植民地化の大きな要因の一つとなった。
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