身長の決定要因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 15:33 UTC 版)
個人の身長は主に成長ホルモンとそれを刺激する女性ホルモンの分泌によって左右される。女性ホルモンは成長ホルモンの分泌を刺激し身長の伸びを促すと共に骨端線の閉鎖を促し、骨端線が閉鎖され成長ホルモンを止めてしまう。女性は男性より女性ホルモンの分泌が多いため、思春期開始が男性より早く、身長の伸びのピークも男性より早いが、骨端線も男性より早く閉鎖してしまうため、男性より低身長となる。思春期における身長の伸びのピークは男女とも陰毛が発生する頃となっており、男性はこの時点で既に思春期に入っている事に気づきやすく(女性は思春期開始から生じる乳房の成長開始で思春期が始まった事に気づきやすい)、男性は変声、女性は初経を迎える頃には身長の伸びのピークが過ぎており、今後あまり伸びなくなる。女性ホルモンが全く作用しない男性では骨端線が閉鎖しないため高身長となる。先天的に脳下垂体に異常がある場合、成長ホルモンが多くまたは長期間排出されると巨人症となり、逆に少ないまたは短期間排出の場合には小人症となる。思春期開始時期の平均身長は男性は約145 cm、女性は約134.1 cmで、思春期の身長の伸びのピークは男性は平均約13歳、女性は平均約10.88歳(10歳10か月-10歳11か月)でピーク時の女性の平均身長は約142.4 cmである。 身長は主に脳下垂体から分泌される成長ホルモンとその影響によって左右されることが明らかである。成長ホルモンは睡眠時に多く分泌されるため睡眠は重要であるが、睡眠時間帯による成長ホルモンの分泌量の影響はない。 思春期の身長の伸びはあまり個人差がないとされる。そのため、身長を伸ばすには思春期前の期間が長く、かつ思春期前までにどれだけ伸ばせるかが重要で、これが大人になってからの身長を左右しやすい。 気候の影響が言われる場合もある。ベルクマンの法則によると、同種の恒温動物では寒冷地に住む種が熱帯地に住む種に比べて大柄になるとされる。これは、体が大きくなると表面積が増えて放熱量が増えるものの、体積の増加によってそれ以上に熱生産量が増加し、寒冷地での生存に有利になるためとされる。人類も北欧人の方が南欧人より東アジア人の方が東南アジア人より高身長である。人類においては同人種間では当てはまるが他人種間ではあまり当てはまらない。例としてアフリカのディンカ族は温暖な地域の部族だが高身長である。 妊娠中に牛乳を多く飲むと子供の身長が高くなるという研究結果がある。
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