起源及び最古の資料
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/02 01:25 UTC 版)
長期暦の最も古い資料は7バクトゥンを表すもので(cycle7の資料と呼ばれる)、7バクトゥンのはじまる紀元前354年頃から紀元前30年くらいの時期にcycle7の資料が集中する付近に住むチャパス州北部とタバスコ州に住む先住民ソケーやオアハカ州北東部に住む先住民ミヘーの人々によって発明されたと推察されている。ラ・モハーラやトゥシュトラの小像に刻まれている碑文や銘文がかれらの言語を当てはめると解読できると主張する学者もいるからである(ラ・モハラの文字を参照)。 確実に最古の日付けが刻まれているとされるのは、メキシコ・チャパス州のチャパ・デ・コルソ(Chiapa de Corzo)の石碑2号である〔7バクトゥン16カトゥン〕3トゥン2ウィナル13キン6ベン〔18シュル〕(7.16.3.2.13 = 紀元前36年。角括弧内は計算により補った箇所。以下、長期暦の単位を「.」で略す)の日付けが刻まれている。ただしグアテマラのアバフ・タカリクの石碑2号の日付けはカトゥン以下が欠損しているためはっきりしないが、カトゥンの「位」が6であれば7.6.0.0.0.として一番古くて紀元前235年までさかのぼることになる。また仮に16であっても7.16.0.0.0.であれば、紀元前38年になるので最も古くなる可能性を持っている。7.16.19.17.19であれば紀元前18年に当たる。 以下紀元2世紀のものまで挙げると、 7.16.6.16.18.〔6エツナブ1ウオ〕(紀元前32年) トレス・サポーテス(Tres Zapotes)の石碑C(メキシコ湾岸) 7.19.15.7.12?.12エブ〔0ケフ〕(紀元37年) エル・バウル(El Baul、グアテマラ高地)の石碑1号 8.2.2.10.5.〔7チクチャン18ウオ〕(紀元83年) アバフ・タカリク(Abaj Takalik、グアテマラ高地)の石碑5号 (8.)4.0.0.0.〔1アハウ8ポプ〕(紀元120年) ダンバートン・オークス蔵の硬玉製の儀礼斧 8.4.5.17.11.〔7チュエン14カヤブ〕(紀元126年) アバフ・タカリク(Abaj Takalik、グアテマラ高地)の石碑5号 8.5.3.3.5.〔13チクチャン3カヤブ〕(紀元143年) ラ・モハーラ(La Mojarra)の石碑1号 8.5.16.9.7.〔5マニク15ポプ〕(紀元156年) ラ・モハーラ(La Mojarra)の石碑1号 8.6.2.4.17.〔8カーバン0カンキン〕(紀元162年) トゥシュトラの小像(Tuxtla Statuette、メキシコ湾岸トウシュトラ山塊)
※この「起源及び最古の資料」の解説は、「長期暦」の解説の一部です。
「起源及び最古の資料」を含む「長期暦」の記事については、「長期暦」の概要を参照ください。
- 起源及び最古の資料のページへのリンク