起泡・消泡
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 08:00 UTC 版)
気/液コロイドでは界面活性剤の効果により、泡が発生する。これを起泡(foaming)という。泡は気体を薄い液膜で包んだものであるが、界面活性剤は気体側に親油基、液膜側に親水基を向けて配列している。つまり親水基で囲まれた部分(泡の境界部)を芯液(水)が満たしている。 普通、泡沫(単一泡の集合体)では泡同士の三重接点(プラトー境界)に毛管現象で芯液が吸い寄せられ、液膜はだんだん薄くなっていき、泡を維持できなくなって最終的にはじけてしまう。しかしイオン性の界面活性剤を用いた場合、液膜が薄くなっていくと、分子同士の静電反発のために、それ以上膜が薄くなることに抵抗を示すようになる。このため泡が持続するようになり「あわ立つ」という現象がおきる。この起泡性は洗剤で顕著である。またアイスクリームや消火剤にも利用されている。 この起泡の逆が消泡 (antifoaming) である。起泡性はイオン性界面活性剤の静電反発に起因しているので、泡を消すにはそれを阻害すればよい。たとえば、脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤を加えることである。これらもまた液膜に配列するのだが、互いの反発がないため液膜が薄くなるのを止めきれずに破泡する。また、エタノールなどの親水性の有機溶媒を水と同程度加えると、界面活性剤を表面から取り去ってしまい消泡する。また、50–60°Cくらいまで液体の温度を上げて、泡の水分を蒸発させることによっても消泡することができる。
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