資産格差
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2014年1月20日、国際非政府組織(NGO)オックスファムは、世界で貧富の差が拡大し、最富裕層85人の資産総額が下層の35億人分(世界人口の半分)に相当するほど悪化したとの報告書を発表している。また、同報告書はデータを得た26カ国のうちの24カ国で、全国民の収入に占める上位1%の最富裕層の割合が約30年前に比べて増加したと指摘している。同報告書はアメリカでは、下層の90%は経済的に苦しくなったが、上位1%の最富裕層は2009-2012年の成長による利益の95%をかき集めたとしている。 2014年10月17日、クレディ・スイスが富豪による富の独占状況についての研究報告を発表し、2014年現在、富豪による富の独占が最も進行している国家はロシアであるとしている。所得上位10%人口の資産が総資産に占める割合は、1位ロシア84.8%、2位トルコ77.7%、3位香港77.5%、4位インドネシア77.2%、5位フィリピン76%、6位タイ75%、7位アメリカ74.6%、8位インド74%となったとしている。また、富の分配が最も進んでいる国家はベルギーであるとしている。所得上位10%人口の資産が総資産に占める割合は、ベルギー47.2%、日本48.5%となったとしており、富の独占率が50%を下回ったのは調査国中、ベルギーと日本の2カ国のみであったとしている。中国については所得上位10%人口の資産が総資産に占める割合は、2000年には48.6%であったが、2014年には64%にまで上昇しており、中国は過去14年間で、最も富の独占が進んだ国家となったとしている。 2015年1月19日、国際支援団体オックスファムは、世界の人口の1%の富裕層がもつ資産の総額が、2016年までに残りの99%の人口の資産の総額と同程度になるという推計を発表した。また、オックスファムは世界の富裕層上位80人の資産総額は、貧困層35億人の資産総額に匹敵するとしている。
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