資源プロジェクト「サウス・ガス・ユーティライゼーション・プロジェクト」
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「日本とイラクの関係」の記事における「資源プロジェクト「サウス・ガス・ユーティライゼーション・プロジェクト」」の解説
三菱商事がイラク石油省(アラビア語版、英語版)とロイヤル・ダッチ・シェルの完全子会社サウス・ガス・カンパニー(South Gas Company、以下SGC)と協力して立ち上げた、バスラ・ガス・カンパニー(Basrah Gas Company、以下BGC)による南部ガス回収・有効利用プロジェクト「サウス・ガス・ユーティライゼーション・プロジェクト」(South Gas Utilization Project)は、商社のイラク進出の重要な例として挙げられる。このプロジェクトは、原油生産に随伴して産出される日量7億立方フィートもの膨大な天然ガス資源(日本の天然ガス総需要の約7%に相当)が有効活用されないままフレアー(燃焼処理)されてしまっているのを、回収、有効利用することを狙いとするものである。まず2008年9月、ロイヤル・ダッチ・シェルがイラク石油省との間で同省傘下のサウス・ガス・カンパニーと共にプロジェクトを推進する合弁会社を設立する旨の覚書を交わすことから始まり、2009年8月には、同プロジェクトに三菱商事が参画し、三菱商事がBGCの株式5%を取得する合意を締結した。2011年11月15日に同合意がイラク政府閣議承認を得たことでBGCが正式に発足、その出資比率は、SGCが51%、シェルが44%、三菱商事が5%となった。加えて同月中、独立行政法人日本貿易保険(NEXI)が三菱商事の出資に対して「イラクの非常危険」を対象とした海外投資保険を引き受けている。2013年5月、約1年半に渡った事業化調査を終え、BGCはイラク南部の三つの油田(ルメイラ、ズバイル(アラビア語版、英語版)およびウェストクルナフェーズ1)から随伴で産出されるガスを全量回収・精製・分離して、発電用ガス・液化石油ガス・コンデンセートを生産する事業が操業開始された。原油価格の暴落という一点を除けば同プロジェクトは順調で、2016年2月、BGCのサイモン・ダマン・ウィレムス社長 (Simon Daman Willems, Managing Director) は「当社は現在、毎日6億立方フィート以上のガスを処理しており、向こう数年で更に処理能力を成長させて行こうという野心的な目標を持っている。」と語り、2015年12月に日産2200トンだったLPGの生産量が、2016年1月には日産3300トンに上昇したことを付言した。
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