議会予算局報告
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/25 04:45 UTC 版)
「2009年アメリカ復興・再投資法」の記事における「議会予算局報告」の解説
2009年2月4日の議会予算局(英語版)の報告では、この景気刺激策は短期的には経済的な結果と雇用の面での増加をもたらすが、議会予算局の見積もった基準に比べると2019年時点で国内総生産 (GDP) は0.1パーセントから0.3パーセントの範囲で減少すると見積もった。 議会予算局は、この法律の制定により連邦予算の赤字額は、2009会計年度の残りの期間に1850億ドル、2010会計年度に3990億ドル、2011会計年度に1340億ドル、2009年から2019年の期間の総計では7870億ドル増加すると見積もった。 2月11日の報告書では、議会予算局の局長ダグラス・エルメンドルフ(英語版)は、この景気刺激策の有効性については経済学者の間でも意見が相違しており、何らかの重要な効果があるか懐疑的な者もいれば、非常に大きな効果を期待している者もいると指摘した。エルメンドルフは、議会予算局では短期的にはGDPと雇用の増加を見積もっていると述べた。長期的には、議会予算局ではこの法律により政府の債務が増加し民間投資をクラウディングアウトすることによって生産をわずかに押し下げると見積もるが、しかし道路の改良や基礎研究や教育への支出増加といったその他の要素がこの生産減少を相殺するかもしれないとし、また需要の減少に伴って民間の投資は既に減少しているので、短期的にはクラウディングアウトは問題ではないかもしれないともした。 議会予算局は、GDPは2009年末までに1.4パーセントから3.8パーセント増加、2010年末までは1.1パーセントから3.3パーセント増加、2011年末までは0.4パーセントから1.3パーセント増加、2014年以降は0から0.2パーセントの減少と見積もった。雇用への影響は、2009年末までに80万院から230万人増加、2010年末までに120万人から360万人増加、2011年末までに60万人から190万人増加、そして以降の年はアメリカ合衆国の労働市場がほぼ完全雇用状態に近づくため増加幅は減少するが、決してマイナスにはならないと見積もった。2014年以降のGDPの減少はクラウディングアウトによるもので、政府の負債の増加が本来投資にまわっていたであろう資金を吸収するためである。経済学者のスティーブン・マーグリン(英語版)とピーター・シュピーグラーによる2013年の研究では、議会予算局の推定通りに景気刺激策がGDPを引き上げたことが示された。
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