識別子の長さ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/27 00:18 UTC 版)
「命名規則 (プログラミング)」の記事における「識別子の長さ」の解説
命名規則の最も基本的な規則のうちのひとつは、識別子の長さに関するものである(長さの限度および識別子に使える文字の種類)。数値を挙げて上限を設定する場合もあれば、もっと緩やかなガイドラインを設定する場合もある。 識別子長の規則は議論の的になりやすく、学術的な議論にもなっている。適切な長さはケースバイケースであり、一概には決まらない。 考慮すべき点: タイピングしやすいため、短い識別子が好まれる傾向がある。ただしIDEの入力支援機能(コード補完)が使える場面では、あまり問題とならない。 あまりにも短い識別子(a や i など)は、識別が困難である。 短い識別子では暗号的な名前になるなど意味情報が十分に込められないとして、長い識別子を好む場合もある。 長い識別子はスクリーン上に占める面積が増え、コード全体を素早く読めなくなることから、敬遠される場合がある。 たとえ長い識別子を使っても、そのうち1文字しか差異がない2つの識別子などは一見して区別が困難なこともある。 略語は混乱を招くため控えたほうがよいが、長すぎる正式名称を使うと可読性を損なう。 変数や関数のスコープに応じて長さを変えることもある。 スコープが広い場合は(グローバル検索しやすく衝突しにくい)長い名前が好ましいが、スコープが狭い場合は短い名前でもかまわない、など。 初期のリンケージエディタには、メモリ使用量を抑えるために変数名などを6文字以内に制限していたものがあり、そのために古いプログラムで識別子が短く制限されていたという事実もある。後発のプログラミング言語および処理系でも、識別子の長さに制限が設けられている場合があるが、実用的な範囲では通例問題にならない上限である。
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