誇張されたドラマ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 06:01 UTC 版)
18世紀を通じて欧州全体にこの上演形態が広まるとともに音楽の役割は後退し、観客をひきつけるため、静的な古典劇とは異なる波乱にとんだ筋や台詞が強調されるようになった。とりわけフランスでは当時流行していた暗黒小説に題材をとり、亡霊や妖怪・森の盗賊などが恐怖心をあおるといった筋書きが好んで書かれた。イギリスではトマス・ホールクロフトの『奇蹟の物語』(1802)が最初期のメロドラマ上演例とされる。 多くの場合ドラマは極端に誇張され、愛し合う男女の前にきびしい障害や敵役が現れるというパターンを取った。語り口は道徳的・感傷的で、登場人物はきっぱりと善悪に分けて類型化されていた。そうした物語劇が流行するなか各劇場がこぞって舞台装置や衣装の豪華さを競い、流行はアメリカにも波及する。欧米でさかんに同種の作品が量産され、「メロドラマ」は上演形式を指す言葉から型にはまった通俗的な物語を意味するようになってゆく。
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