試合前に指名打者を指名しなかった場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 10:56 UTC 版)
「指名打者」の記事における「試合前に指名打者を指名しなかった場合」の解説
DH制のある試合であっても指名打者の指名は義務ではないが、試合前に指名しなかったときは、その試合で指名打者を使うことはできない(野球規則5.11(a)(3))。 しかし、前述でも記載があるように、DH制のある試合でDHを最初から使用しないことは一方的不利を免れないので、オープン戦以外では特殊な事情がない限りは起こりえない。公式戦で試合開始時からDHを使用しなかったのは、日本シリーズ対策として投手に打席を経験させるために消化試合でDHを使わなかった西武ライオンズの例、投手登録だが打力もあった大谷翔平が先発投手の試合でDHを使わなかった北海道日本ハムファイターズの例がある。 西武ライオンズ 1987年、1990年、1992年、1998年に、リーグ優勝決定後に各年1試合ずつ、計4試合で9番に先発投手を起用した。打席に立った投手は1987年が渡辺久信、1990年が工藤公康・渡辺智男、1992年が渡辺久信・潮崎哲也・石井丈裕、1998年が西口文也の延べ計7人。1992年10月10日の試合では渡辺久が左前安打を打っている。 北海道日本ハムファイターズ(大谷翔平) 大谷翔平が日本ハムに入団した2013年以降、投手として先発する試合以外で、野手として先発出場した経験は多かったが、2015年までは投手として打席に立ったのはセ・パ交流戦でDH制のない試合に限られていた。しかし2016年5月29日の対東北楽天ゴールデンイーグルス戦で6番・投手として先発し、DH制のある試合では初めて登板中に打席に立った。その後、この年の公式戦では大谷が先発投手の試合でDHを使用しなかったケースが計7試合あった。この場合は西武のケースと異なり、大谷自身の打力に期待してDHを使用しないため打順は試合によってまちまちで、2016年7月3日の対福岡ソフトバンクホークス戦では1番・投手で先発し、1回表に投手登録の選手としてはプロ野球史上初の初回初球先頭打者本塁打を打っている。2017年は10月4日のオリックス・バファローズ戦の1試合のみで、パ・リーグでは指名打者制導入後初、2リーグ制後では1951年10月7日の藤村富美男以来の4番・投手で先発した。
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