西南極とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 西南極の意味・解説 

にし‐なんきょく【西南極】


西南極

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/14 05:37 UTC 版)

西南極

西南極(にしなんきょく West Antarctica)は南極大陸のうち、西半球部にある地域を指す。東半球にある東南極と対になるものである。当初は子午線を境界にした便宜的な地域分類に過ぎなかった[1]が、地形や地質において東南極とは際立った対比を見せている。

東西は南極横断山脈が分断する。南極の地図を用いた簡便な方法は、まず南極点を中心に経度0度を上に経度180度を下に置き、このとき横断山脈がW60度方向から南極点を下を通ってE150度方向へ延びるが、山脈で分断された左側(西半球側)の南極半島を含む1/3ほどが西南極である。

西南極の語は20世紀初頭には使われていたが、大きく使用され始めたのは1957年から1958年の国際地球観測年の時である。

南極横断山脈の太平洋側のマリーバードランドエルスワースランドのほか、南極半島パーマーランドなどが含まれている。ロス海ウェッデル海に挟まれており、東南極より陸地面積が小さく、ロス棚氷ロンネ棚氷などの海氷領域が広がっている。南極氷床の西南極側を西南極氷床といい、南極氷床の体積全体のおよそ10%にあたる。東南極氷床よりも小さいため地球温暖化に伴う溶解の可能性については議論が行われている[2][3]。しかし、西南極氷床が乗る基底の岩盤は氷床の自重によるアイソスタシーと相まって 1000m近くも沈んでいてほとんど海面下にある。ベントリー氷河底地溝の基岩面は-2,555mにあり、海水に覆われていない最深の地球表面になるが、その上を厚さ3kmもの氷が覆って観察も不可能なため、最も低い地球表面であるとの認識はほとんどなされていない。

南極圏に入らない半島の北半分やサウス・シェトランド諸島には、航行や荷揚げが容易なため、各国の南極観測基地が数多く置かれている。

地図での一覧

脚注

  1. ^ 小林励司. “東南極大陸におけるレイリー波位相速度と地殻・上部マントルの構造”. 日本地球惑星科学連合. 2012年6月14日閲覧。
  2. ^ http://www.nikkei-science.com/page/magazine/0303/antarctica.html 日経サイエンス・南極の氷が語る海面上昇のシナリオ
  3. ^ http://eco.nikkei.co.jp/special/nationalgeographic/article.aspx?id=MMECf1016029052007 ナショナルジオグラフィック日本版

座標: 南緯79度 西経100度 / 南緯79度 西経100度 / -79; -100


「西南極」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「西南極」の関連用語






6
南極大陸 デジタル大辞泉
50% |||||

7
南極横断山地 デジタル大辞泉
50% |||||

8
南極氷床 デジタル大辞泉
50% |||||

9
東南極 デジタル大辞泉
50% |||||


西南極のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



西南極のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの西南極 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS