複素対数の等角性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 07:10 UTC 版)
命題 正則函数 f: U → C がすべての点 z ∈ U において f′(z) ≠ 0 を満たすならば、f は等角写像である。すなわち、U の点 a を通るに曲線が角 α を成す(これは a における両曲線の接線の成す角が α であるという意味である)ならば、それらに曲線の f による像も f(a) において同じ角 α を成す。 log z の枝は、正則かつ導函数 1/z は U 上で消えないから、上記の命題により等角写像を定める。 例えば、主枝 w = Log z は C ∖ R≤0 から垂直帯状領域 |Im z| < π への写像と見て上記の性質を満たすから、等角性を極形式で書いた直接の帰結として以下のことが言える: z-平面の原点を中心とする円は w-平面内の a − πi から a + πi へ結ぶ垂直線分に写される。ただし、a は円の半径の実対数である。 z-平面の原点から放たれる半直線は w-平面の水平線に写される。 上記の z-平面上の各円と各半直線は直角に交わる。それらの Log による像はそれぞれ w-平面の垂直線分と水平線だから、それらも直角に交わる。これは主枝 Log の等角性の発露の一つである。
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