補作の数々
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アルファーノによる補作を完全に含む『トゥーランドット』全曲総譜はリコルディ社より初演前に出版されたが、トスカニーニによる大鉈が振るわれて以降、1926年の第2版からは総譜においてもこの短縮版だけが世に出る形となった。「アルファーノ完全版」は、1982年11月、ロンドン・バービカン・ホールにおけるコンサート形式演奏まで50年以上日の目を見ることはなかった。今日ではこのアルファーノ完全版による上演も漸増傾向にある。 イタリア在住でアメリカ合衆国出身の音楽評論家・音楽学者・作曲家であるジャネット・マグワイヤは、プッチーニの遺したスケッチの厳密な資料批判に基づいた補作版を1990年に作成したが、公開演奏は未だなされていない。 イタリアの作曲家ルチャーノ・ベリオは指揮者リッカルド・シャイーの委嘱により独自の補作版を作成、この版は2002年1月にスペイン・カナリア諸島のラス・パルマスでコンサート形式で演奏されて以来各所で採り上げられ話題になった。最後の結尾はプッチーニのピアノ譜の原作どおりピアニッシモで終わる。近年ザルツブルクでの音楽祭での上演(指揮:ワレリー・ゲルギエフ)、ミラノ・スカラ座での上演(指揮:リッカルド・シャイー)がDVDで手に入る。 中国国家大劇院が2008年3月に初上演したプロダクションでは、中国の作曲家、郝維亜(Hao Weiya)が新たに約18分間の終結部を補作し、同じ形でその後も再演がおこなわれている。郝は「プッチーニの様式に敬意を払い、同じ路線で完成させたかった」と語っており、全曲は「茉莉花」の旋律で締めくくられる。
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