蓮池節
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/08 19:25 UTC 版)
蓮池節(はすのいけぶし)は佐賀県の代表的な民謡の一つである。 旧佐賀藩の時代には、藩内では質素倹約が尊ばれ、歌舞や芸事は忌避されてきた。そのために佐賀地方には郷土芸能の類があまり育たなかったと考えられている。そうした風土のなか、明治時代になって登場したのが蓮池節である。曲と詞をつくったのは蓮池村にいた三味線の師範で樺島政市(1844 - 1935年)といい、愛称を「トコトコ政市っあん」と呼ばれていた人物である。 樺島は蓮池村の庄屋の子だったが、幼少期に疱瘡を患い失明して全盲となった。長崎で音楽と三味線を修得し、地元の花鳥風月を吟じたり世評を風刺した軽妙愉快な曲を庶民的な佐賀弁で即興で歌った。樺島は三味線を持って蓮池から佐賀や神埼まで流し歩き、家々の前でその家のことを読み込んで即興で歌ったという。樺島の歌曲は佐賀の花柳界で人気となり、大正時代から昭和期にかけて頻繁に歌われた。 即興であるゆえに曲や歌詞は多数あり、現在はっきり伝わっているのは7曲ほどである。
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