荻外荘会談
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 13:58 UTC 版)
10月12日、近衛首相は荻外荘に陸海外三相及び鈴木貞一企画院総裁を招き、和戦に関する最後的会談を行った。主な発言は以下のとおりである。 豊田外相「日米交渉妥結の余地あり。それは駐兵問題に多少のアヤをつけると見込があると思ふ」「遠慮ない話を許されるならば御前会議決定は軽率だった」 及川海相「外交で進むか戦争の手段によるかの岐路に立つ。期日は切迫して居る。其決は総理が判断してなすべきものなり」 近衛首相「今どちらかでやれと言われれば、外交でやると言わざるを得ず。戦争に私は自信ない。自信ある人にやって貰はねばならぬ」 東條陸相「現に陸軍は…御前会議決定により軍を動かしつつあるものにして、今の外交は普通の外交とは違ふ。やって見るといふ外交では困る」「日本の条件の線にそって統帥部が要望する期日内に解決する確信がもてるならば、戦争準備を打ち切り外交をやるもよろしい」「総理が決心しても陸軍大臣としては之に盲従出来ない。我輩が納得する確信でなければならない」 また、特に駐兵問題について、東條は「駐兵問題は陸軍としては一歩も譲れない」「支那事変の終末を駐兵に求める必要がある」「(駐兵の)所要期間は永久の考えなり」とした。結局、荻外荘会談においても何ら結論を得ることが出来なかったため、鈴木は近衛に対し「陛下に御願いして9月6日の決定を一旦白紙に返して、対米交渉を継続することにしてはどうか」と進言した。
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