花芽分化と開花
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 15:29 UTC 版)
タケニグサが1mくらいまでの生長の過程で、黄色い花芽を形成して延長してくるが、生長点だけでなく互生する葉の付け根からも枝を出しはじめる。花芽を持つまでは先端が折れて、切り取れたときなどに、葉の付け根から腋芽を出す。それ以外では、花芽を持ったときから腋芽にも小形の葉を着ける場合もあるが、蕾を着けるのが普通である。枝とあわせてクラスター状の円錐花序を形成して2mに達するくらいから、蕾が1.5cm - 2cmのガクが白い花弁状に生育するが、一度に全てが開花するのではなく、下部より順に開花を始めて行く無限花序でもある。成熟した蕾時に花を覆う花弁状に見える白い2枚のガクは開花と同時に脱落する。朝の開花時には大きな葉の上に、この花弁状の白く美しいガク片が乗っているのを見ることができる。ガク片が外れて開花した花は、柱頭が2つに分裂しこの部分と基部は桃色で、花柱は白い雌蘂に、その周囲に細い糸状で開花時は白く黄褐色になり花粉の散布をする。ヤクも細く白い雄蘂が多数(約30本くらい)着いている。この様子が鳥の羽毛の下部になるダウンに似ているので、英名は直訳で羽毛ケシ(Plume Poppy=プルームポピー)と呼ばれるのである。開花当日の夕方には雄蘂は脱落し、1日で花は終了する1日花である。下から順次開花を続けるために、無限花序には下部の果実、その当日に開花した花、翌日に咲くガク片が花弁状になっている成熟した蕾、そのさらに翌日以降に咲いていく蕾、生育して伸びつつある花芽と、1本の花序で、花の始めから終わるまでの状況のすべてを観察することが可能である、まれな植物でもある。受粉が成功した花は果実となる雌蘂の柱頭の胚乳が山吹色になり、種子を育む。熟してくるにつれ下垂して色が白みがかった薄緑になる。このころには開花も終了し受粉の成功した花が果実となっており、花序であったことから、数多くの果実を枝に垂している。英名は、開花中の花の様子の、羽毛ケシ(Plumepoppy=プルームポピー)、日本名は、このときの果実の様子が、平たく薄い竹の葉のような形状で、竹に似ている様子から、竹似草と名付いた。花の果実の種子が完熟する頃には秋の寒気で、休眠に入るために、地上部の地上茎、葉等は枯死するので、茶褐色に果実も変色する。そのころには種子が完熟して、種子枕に惹かれた蟻に収穫されて運ばれたり、小形のケシ坊主であるので、ほかのケシ同様に先端からケシ粒状の種子を排出する。
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