船舶での暖機運転
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/01 21:00 UTC 版)
小型船舶においてはトラックなどと変らないが、大型のディーゼルエンジンは全体が温まるまでに時間がかかり、冷えたまま動かすとエンジンの場所によって大きな温度差が出来てエンジンが壊れる(クランクケースの変形等)原因になるため始動する前に外部動力及び高温冷却清水等による暖機が必要になる。冷却清水とオイルをボイラーで発生させた蒸気で加熱し、ポンプで強制循環させてエンジン全体(主機ジャケット部)を外部から加熱する。この時にエンジンを電気モーターや小型のエンジンなどの外部動力で回転させてシリンダーを暖める「ターニング」を行う。主機ジャケット部冷却清水出口温度40~70°Cほど(使用するエンジンによって温度は異なる)でターニングを停止し、エンジンの吸気装置を動かして圧縮空気を送り込みエアランニングを行う。エアランニングには過給器の回転部の動作確認、主機及び軸系の動作確認をする目的がある。その後、エンジンを始動する。この作業は大型エンジンほど長くなり、大型船舶では暖機運転に30分以上を要することが珍しくない。
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