航空科の操縦士養成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/26 07:49 UTC 版)
「航空科 (陸上自衛隊)」の記事における「航空科の操縦士養成」の解説
陸上自衛隊は、地上の任務部隊を支援することを目的として自前で航空部隊を編成している関係から、操縦士志望者も入隊当初は地上部隊に配属し、数年の勤務の後に志願した陸曹の中から適性のある者を「陸曹航空操縦課程(略称FEC:Flight Enlistedman Course)」に選抜するという方法をとっている。このため空地の連携が良好な操縦士を育成し、航空科の「航空至上化」を防ぐシステムになっている点が海空自衛隊とは最も異なっている。FECは海空の航空学生と比較するとエリミネート率(パイロットになれない学生の割合)が低いのが特徴であるが、近年は不適格者を学生時に排除する傾向が強くなっており、20%程度である。陸上自衛隊の任務における航空科職種の役割が限定されるため、組織内での操縦士の地位が海上・航空自衛隊に比べて相対的に低い点も特色と言える。 FECの他に、幹部自衛官が陸上自衛隊航空学校明野本校(過去には霞ヶ浦校でも実施されていた)で教育が実施されている「幹部航空操縦課程(略称POC:Pilot Officer Course)」を経て操縦士となるコースもある。 2016年からは、女性の操縦士からも本人の希望と適性により攻撃型ヘリコプターの操縦教育を受けることが可能になり、翌2017年7月に初めて女性自衛官(輸送ヘリコプターの操縦経験がある42歳の3佐)が幹部戦闘操縦課程を修了して対戦車ヘリコプターの操縦資格を得た。 航空科では、警視庁航空隊など都道府県警察航空隊のヘリコプター操縦士の養成を受託しており、派遣された警察官も共に訓練を受けている。なお陸上自衛隊は固定翼の練習機を有していないため、LR-2のパイロットは海上自衛隊の航空学生と共に山口県にある小月教育航空群で訓練を受ける。
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