背景・狙い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 06:13 UTC 版)
「石油食料交換プログラム」の記事における「背景・狙い」の解説
石油食料交換プログラムは、イラクのクウェート侵攻に伴う国連安保理決議661によって過度に疲弊した市民を救援する目的で実行された。 1991年8月15日、国連安保理決議706の採択によって、イラクは食料と交換の石油輸出が可能になった。 1991年9月19日の国連安保理決議712により、石油食料交換プログラムへの出資のために石油換算で160億ドルの輸出ができることが確認された。 イラクは最初は拒否していたものの、1996年5月に国連決議の実行手続きを行うための了解覚書に調印した。プログラムは1996年12月に開始され、最初の輸送食料は1997年5月に到着した。イラクの2600万人の人々のうち60パーセント1560万人が、石油食料交換プログラムによる食料に完全に依存していた。 このプログラムではエスクローシステムが採用されていた。イラクから輸出された石油に対する支払いは、イラク政府へではなく、買い手から2001年までBNPパリバ銀行に保有されたエスクロー口座へと支払われた。この金はその後クウェート・連合軍・国連活動への戦争賠償金へ充当された。残った大部分の金は、イラク政府が規制に合致した物資を買うために使うことができた。 イラク政府が購入を許可されたのは、経済制裁下で禁輸されていない物資のみであった。生鮮食料品などの特定の品目はすぐに輸送処理されたが、鉛筆や葉酸などの単純な品物も含め、大部分の物資は手続き中に再検査され、輸送が許可されるまでたいてい6週間ほどかかった。何らかの形で化学兵器・生物兵器・核兵器開発に使用される可能性がある物資は、その目的で使用する・しないにかかわらず送ることはできなかった。
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