聖書校訂と『パレスティナ殉教者列伝』の編纂
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「エウセビオス」の記事における「聖書校訂と『パレスティナ殉教者列伝』の編纂」の解説
エウセビオス『福音の備え』は彼がオリゲネスの学統に属していることを如実に物語っている。エウセビオスは喜劇や悲劇、叙情詩は一切引用しないが、プラトンの全著作に加えて、主としてアレクサンドリアのフィロンから2世紀後半までの中期プラトン主義のものを中心として、プラトン以後の膨大な哲学的著作を参照している。どれほど世俗の内容が含まれていようとも、オリゲネスとパンフィロスの学統の本来の目的は、宗教教育の増進にあった。カエサレア図書館に収められた聖書学的著作や神学的著作の傾向は、より興味深い。オリゲネスの『ヘクサプラ』と『テトラプラ』、『マタイによる福音書』アラマイ語原典[要曖昧さ回避]のコピー(と主張されている書物)、そして多くのオリゲネス自身の著作が収蔵されていた。写本の欄外注はパンフィロスと、エウセビオスを含む彼の友人や生徒たちが図書館に収蔵された聖書テクストの多くを校閲し訂正を加えていたことを示している。対照訳セプトゥアギンタテキスト作成活動はシリアとパレスティナで徐々に知られるようになった。パンフィロスの学校に加わって間もなく、エウセビオスは師パンフィロスの書物収集に関わるようになり、このころエウセビオスは『パレスティナ殉教者列伝』を編んだであろう。
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