耐熱・耐寒性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 03:49 UTC 版)
耐熱性は非常に低い。PET自体の耐熱性は50℃程度であり、真夏の自動車内に放置すると変形してしまう。通常の加熱殺菌には適さないため、限外濾過で無菌化または高温短時間殺菌し、常温充填(アセプチック充填)される。耐熱ボトルでも耐熱性は85℃程度であるが、加熱殺菌状態での充填がかろうじて可能である。 耐寒性は、瓶や缶に比べれば低いが、材料としての耐寒性は飲料ではほとんど問題にならない。内容物の凍結による膨張が問題になる。 保存温度帯(販売温度帯)では、ペットボトルは次のように分けられる。 標準温度帯用 常温や冷蔵時に利用される、ごく一般的なペットボトル。キャップの色は基本が白だが、特に制約はなく様々な色が存在している(ボルヴィックなど海外製品で特に)。 高温度帯用 ホットウォーマーなどで、ペットボトル容器ごと温めることを想定して作られたペットボトル。高温度でも内容物が変質しないように改良されている。PET樹脂自体は酸素透過性があり、高温になると更に透過性が増大し内容物の酸化劣化をもたらす。しかしながら、高温度帯用の製品では容器の厚みを増やしたり、酸素遮断層をサンドイッチや内面にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティング処理することにより加温時の酸化劣化を防いでいる。缶に比べて熱くなりすぎず、直接手で持っても火傷をすることが少ない。1999年にサンガリアが「あったかいお茶」で商品化に成功、以後は急速に普及した。電子レンジなどで加熱するまでの温度帯になると、形状が変形する物もある。標準温度帯での保存も可能。キャップの色はオレンジ色。 冷凍温度帯用 2003年にサンガリアの氷晶シリーズではじめて商品化された。ペットボトル飲料を凍らせて携帯したいといったニーズに応えて登場。冷凍庫などで、ペットボトル容器ごと冷却することを想定して作られた。冷凍による内容飲料の膨張に耐えられるよう角型のペットボトルを採用した。外装のラベルやキャップにも改良や耐寒対策がされている。標準温度帯での保存も可能である。キャップの色は水色。
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